性教育を取り入れた保育①
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性教育は、「性=生殖」のように、誤解を持たれやすいことばです。しかし、本来の性教育は、「性=人権」という考え方を土台とし、自分のからだ、人間関係、そして社会とのつながりについて知り、「どのように自分が生きるか」を考えることです。これを「包括的性教育」といい、ユネスコの国際セクシュアリティ教育ガイダンスでは、幼児期から年齢別の指針があります。保育の中に包括的性教育を取り入れることは、子どもの人権の保障につながります。ぜひ、園でできることを考え、少しずつ実践を積み重ねていきましょう。 | |
性や人権にまつわることは保育の中にたくさんある! 性教育を「新しく出てきたやっかいな課題」と捉えると取り組むハードルが上がりますが、そんなことはありません。実は、保育の中には、性や人権にまつわることが日常的に含まれていて、これまで見逃されたりタブー視されたりする傾向にありました。 今まで保育者ごとに違う匙加減で対応してきたことに、性教育という着眼点を取り入れるだけで、保育の質はぐんと高まります。子どもの言動に隠れていた、いろいろな想いに気づけるようになり、その背後にある家庭環境や保護者の考え方も見えてきます。 包括的性教育は、性の知識だけではなく、性に関する適切な態度や対応のスキルの習得を目指していますが、大人も今まで学んでこなかった内容ですから、実践に迷うことは多いでしょう。 保育者が完璧な知識を持って子どもに教えなければと気負わなくても大丈夫。一緒に学びを楽しみながら、肩の力を抜いて子どもにかかわっていきましょう! |
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教えてくれた人/ 宇都宮大学 共同教育学部准教授 艮 香織 イラスト/ノグチユミコ 取材協力/あおぞら谷津保育園(神奈川県) 取材・文/古屋あさみ |