
支援のアイデア
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感覚統合の発達に必要なのは体を使ってあそぶ経験
感覚統合の発達に不可欠な多様な感覚のインプットは、子どもが主体的にあそぶ経験で得られます。まずは、感覚統合の土台となる触覚・固有覚・前庭覚の3つを育てる粗大運動のあそびで、発達の土台を築きましょう。
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感覚統合の発達には、土台となる感覚の育ちが大事
感覚統合の力は、日常生活をスムーズに送るうえで欠かせないものです。歩く、立つ、走る、姿勢を保つなど、どの動作も、目や耳、皮膚、筋肉などから得られる感覚情報を、脳で整理し、反応や動作につなげる力が必要です。
その力は突然身につくものではなく、つみきのように、下から順に少しずつ積み上がっていきます。そのため、ある動作が苦手な場合でも、できない動作をくり返し行うのではなく、動作の土台となる基礎的感覚へのアプローチこそが重要なのです。
その土台となる感覚のなかでも特に重要なのが、皮膚から得られる触覚、筋肉や関節の動きを感じる固有覚、頭の傾きや重力を感じる前庭覚です。これら3つの基礎的な感覚を土台に、ことば、集中力、読み書きなどが育まれます。まさに「つみきの土台」のような存在です。
これら3つの感覚は、子どもが体を動かす経験を通じて育まれます。現代の子どもたちは、映像や音といった視覚・聴覚の刺激には日常的に多く触れていますが、体をしっかり使って得られる触覚・固有覚・前庭覚は不足しがちです。
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感覚統合を促す「粗大運動」とは
かつては自然のなかで、川に飛び込んだり、木に登ったり、泥のなかであそんだりして、多くの感覚刺激を受け取っていた子どもたち。今はそうした経験が減っており、意識的に全身を使うあそびを保障する必要があります。
その鍵を握るのが「粗大運動」です。粗大運動とは、走る、跳ぶ、登る、くぐる、投げるなど、全身を大きく使う運動のこと。体をダイナミックに動かせると、触覚や固有覚、前庭覚がしっかり取り込まれ、発達の土台が育っていきます。
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教えてくれた人/作業療法士 高畑脩平
イラスト/ノグチユミコ
撮影/岡田ナツ子(Studio Mug)
取材・文/こんぺいとぷらねっと
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掲載されているのは
PriPriパレット 2025年8・9月号
4,6,8ページに掲載
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