
支援のアイデア
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落ち着きがなかったり、不器用だったり、行動が乱暴に見えたり……。そういった子どもの姿には、もしかすると「感覚統合」がうまくいっていない背景があるのかもしれません。感覚統合とは、様々な感覚情報を整理し、適切に反応したり体をうまく動かしたりする力。大きく体を動かす粗大運動を取り入れたあそびで、子どもの感覚統合を促し、よりよい育ちにつなげていきましょう。
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感覚統合理論で捉える子どもの発達
障害の有無にかかわらず、体の動きのぎこちなさ、不器用さが目立つ子どもが増えています。その背景には、感覚統合の未熟さがあるかもしれません。そもそも感覚統合とは何なのか、その働きや重要性を解説します。
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感覚統合がうまくいかない子どもが増えた
近年、感覚統合がうまくいかず、日常生活での動作に困難を感じる子どもが増えているといわれます。
感覚統合とは、目や耳、皮膚などから入ってくる様々な感覚情報を脳で正しく整理し、適切に反応する力のこと。私たちが何か行動をするときには、情報をうまく「交通整理」するようなこの働きが欠かせません。
例えば、まっすぐ歩くには、頭の傾きや重力を感じながら、筋肉や関節の動きを調節してバランスをとっています。また、目で進行方向を確認して歩くルートを調整します。こうした感覚情報が脳で処理され、全身の筋肉に指令が送られることで、スムーズに歩けるのです。この力が育っていないと、動きがぎこちない、ぶつかりやすい、乱暴に見えるなど、様々な場面でつまずきが生じてしまいます。
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楽しい活動が、脳の発達を促す
感覚統合の発達には、あそびが欠かせません。特に、「楽しい!」「やってみたい!」という気持ちが芽生えると、子どもは自ら進んでチャレンジし、様々な感覚刺激を積極的に受け取るようになります。「チャレンジ → 試行錯誤 → できた!」という体験をくり返すなかで、感覚統合はより効果的に発達していくのです。
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教えてくれた人/作業療法士 高畑脩平
イラスト/ノグチユミコ
撮影/岡田ナツ子(Studio Mug)
取材・文/こんぺいとぷらねっと
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掲載されているのは
PriPriパレット 2025年8・9月号
4,6,8ページに掲載
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