My Wonder あなたの保育をサポートする

支援のアイデア

「危険な行為をしてしまう子への対応」①

高いところから飛び降りる、急に飛び出すなど、危険な行為をしてしまう子どもがいます。その度に、保育者が対応に追われるケースもあるでしょう。どうしたら落ち着いて安全に行動できるのか、園での事例をもとに支援の方法を考えます。
乳幼児期の発達段階を理解して
子どもは視野が狭く、体の動きや危険への認識も未熟なため、周囲がハラハラする行動をしがちです。保育者は乳幼児期の発達を理解したうえで、安全な環境を整える必要があります。
0歳は、月齢を追うにつれ探索行動が活発になり、なんでも口に入れるため、誤飲の危険があります。体の動きも未熟なので、転倒や衝突にも注意が必要。
1~2歳になると、自分で動けるようになり、行動範囲が広がります。好奇心が強くなり、ダメと言われても試そうとします。
3~4歳は自己主張が強くなり、ルールを理解し始めますが、気持ちをコントロールすることはまだ難しい部分も多い時期です。興味のあることに夢中になり、あそびを通して友だちとの関わりが増える一方で、トラブルになることも。
5~6歳は、ルールを守り、気持ちをコントロールする力も発達してきます。また、好奇心から新しいことに挑戦したい気持ちが強くなります。ただ、危険の予測や自制心が未発達なところがあり、保育場面では事故やトラブルのリスクも生じるので、注意が必要です。
行動の背景にある発達の特性に目を向けて
発達に特性がある子のなかには、感覚過敏によって些細な刺激でパニックやかんしゃくを起こし、危険な行為につながることがあります。子どもによっては、衝動性の強さや、何が危険かがよくわからないために危険な行為をくり返す場合もあるでしょう。
安全なあそびの提案や、突発的な行動につながりやすい待ち時間を減らすなど、子どもの行動の背景にある特性をふまえた安全な環境づくりが必要です。
\あっ、危ない!/
発達特性に関連した危険な行為
子どもの行動の背景にある特性を踏まえた、安全な環境づくりが必要です。

窓やベランダに近づく
高さの認識不足や、外の音や光にひかれたため、ということも。転落のリスクがある。

友だちを押したりたたいたりする
相手の気持ちに気づかず押しのけてしまったり、関わり方がわからずあそんでいるつもりのことも。
ほかにも
● 高いところから飛び降りる
● おもちゃや道具を振り回す
● 食べ物を噛まずに飲み込む
● 物を投げる、壊す
● 危険な道具を触る
● エレベーターであそんだり、機械に手を伸ばす など
危険な行為をしてしまう子の背景
① 衝動的で落ち着きがない
② 興味のあることに
③ 強くひかれる
④ 危険な行為への理解が不十分
⑤ 大人の注意をひきたくてくり返す
公認心理師、臨床発達心理士 白馬智美
イラスト/ナカムラチヒロ
取材・文/こんぺいとぷらねっと
お知らせカテゴリー

この記事が詳しく
掲載されているのは

PriPriパレット 2025年8・9月号

PriPriパレット 2025年8・9月号

36,38,40ページに掲載

詳細はこちら