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支援のアイデア

子どもの就学に悩む保護者対応①

発達に特性のある子どもの保護者とのやりとりは、思いに寄り添った接し方が大切です。様々なケースを取り上げて、よい関係を築く対応をご紹介します。
子どもの就学を控えて、心配や不安が募る保護者の思いを理解し、よりよい関わり方を考えます。
保護者の不安を受け止め、「その子のよさを発揮できる最適な環境はどこか」という視点で就学先を検討できるように話をしましょう
対応のコツ
子どもの持っているよい部分を伸ばせる環境を
子どもの就学を考える際に大切なことは、「本人の持っている力を伸ばしていける」環境を考えることです。保育者はその子が園で前向きに取り組む姿や成長している様子、園でどのような支援をしているかを保護者に伝え、「就学後にその子にどのようなサポートがあるといいか」と保護者が考えていけるように支えていきましょう。
就学相談とは?
主に小学校に就学する前年度に、特別な支援を必要とする、または就学に不安がある子どもの保護者が自治体の就学相談窓口等に申し込み、「通常の学級」「通級による指導」「特別支援学級」「特別支援学校」の選択肢から、どこに在籍するかを専門家と検討する場。子ども本人や保護者の希望を考慮し、就学先の判断がなされる。
対応のコツ
保護者が迷っている場合は就学相談を早めに案内する
就学への悩みや迷いのある保護者には、園長などとも相談し、就学相談を提案するのもひとつの方法です。就学相談に抵抗がある保護者もいますが、診断を受ける場ではなく、地域の学校の様子を聞いたり、専門家に就学後の不安を相談したりできると説明を。就学相談は4〜5月から始まり秋には受付を締め切ることが多いため、早めに申し込めるとよいでしょう。
子どもがいきいきと過ごせる場をイメージして
 発達に特性のある子どもの保護者は、就学先や就学後について不安や悩みを抱えている場合が少なくありません。保育者はその不安を受け止め、子どもにとってよりよい就学先を保護者が検討できるように支えていきましょう。
 その子の得意なことや、どういう支援があると力が発揮できるかといった園での姿を、「絵カードでくり返し伝えるとできるので、そういうサポートがある環境だともっと伸びると思います」などと具体的に伝え、子どものよいところを伸ばせる就学先を保護者が考えていけるようにするとよいでしょう。
 各自治体の教育委員会が行う就学相談では、子ども一人ひとりのニーズに合わせた就学先を教育や医療、心理等の専門家と相談しながら決めていくことができます。保護者が子どもの就学先に迷っている場合は、就学相談に申し込み、検討できることも伝えましょう。
教えてくれた人/
筑波大学名誉教授 徳田克己
東京科学大学 リベラルアーツ研究教育院教授 水野智美
イラスト/コウゼンアヤコ
取材・文/小栗亜希子
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PriPriパレット 2025年8・9月号

PriPriパレット 2025年8・9月号

58,60ページに掲載

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