PriPri発達支援 発達障害の子が生きる世界とは
発達障害・落ち着きがない子の世界
自分の行動をコントロールできない
落ち着きがなく、注意力散漫で、待つことや行動を切り替えることが苦手。その特徴が、同じ発達水準の子どもと比べて明らかに認められるのであれば、注意欠如・多動症(ADHD)の可能性が考えられます。ADHDは脳の機能の偏りが原因なので、わかっていても自分で行動のコントロールができません。本人ももどかしさに悩み、不安を抱えていることが多いのです。
ADHDの子は、すべてのことに集中できないのではありません。自分が興味のあることには夢中になりすぎ、行動を制御できないために中断できなくなることもあります。
落ち着きがない子の場合
1 ひとつのことに集中できず、次々と興味が移ります
最初のうちは絵本を見ていますが、保育者がページをめくる音が気になり注意がそれました。
2 ふと前の女の子の髪飾りが目にとまります。そこから、自分の世界に入ってしまいました
3 再び絵本に集中しようとしますが、今度は保育者の後ろにある人形が目にとまります。
4 絵本を聞いているというのに衝動を抑えられず、席を離れてぬいぐるみを触りにいきました。
5 保育者に注意されてしまいます。みんなの視線が向けられてバツが悪いことでしょう。言動を制御できずに叱られることが多いので、自尊心が傷つき苦しみます。
監修/児童精神科医 岡田 俊(おかだ たかし)先生
名古屋大学医学部附属病院 親と子どもの心療科准教授。特別支援教育スーパーバイザー、特別支援学校学校医なども務め、発達障害支援に多方面から関わっている。著書に『もしかして、うちの子、発達障害かも!?』(PHP研究所)、「発達障害のある子と家族のためのサポートBOOK」シリーズ(ナツメ社)など。
写真/磯﨑威志(Focus & Graph Studio)
モデル/仲田友紀子 北村凌駕 小吹奈合緒 前原幸來 万谷妃奈 嶺岸煌桜 宮崎歩夢
撮影協力/クレアナーサリー市ヶ谷(東京都)