わが子が発達障害と言われて
保護者の障害受容を支える保育者サポート【1】
保護者が障害を受容するまでの道のりは、決して平坦なものではありません。信頼関係を築きながら、保護者を支えるポイントを紹介します。
受容は、小学3年生までが目安在園中、受容に至らなくても
3歳未満は誤診の恐れがあり受診は勧めませんが、理想は2~3歳頃に発達の課題に気づき、3歳~小学3年生までの間に受容することです。在園中に受容に至らなくてもよいので、就学まで時間がない場合はあえて保護者に声をかけなくても。子どもを伸ばすには、その子に合った育児・保育・教育が必要。保育者は、保護者ができるだけ小学3年生までに受容をして、適切な関わり方を身につけられるように支えましょう。受容に至らず、保護者が子どもを叱って改善しようとしたり、子どもが自己否定したりしてしまう関わり方が続くと、不登校や引きこもりなどの二次障害が心配されます。
「こうしたらできた!」をセットにして実態を伝える
発達に課題があるかもしれないという保育者の気づきを保護者に知らせるときは、必ず「こうしたらできた!」「この子が伸びる方法はこうです」と支援策をセットで伝えましょう。支援策を提示しない状態で気になる点だけを一方的に伝えられても、言い渡しのように感じられ、保護者は突き放されたと思うかもしれません。園と家庭で同じ方法を用いて、一緒に支援していく姿を示しましょう。
監修/徳田克己(筑波大学医学医療系教授)
子ども支援研究所所長。教育学博士、臨床心理士。専門は子ども支援。全国の幼稚園、保育園などを巡回し、発達障害のある子どもの保護者や保育者の悩みに答える。『こうすればうまくいく! 自閉症スペクトラムの子どもの保育』(監修/中央法規出版)など著書多数。
イラスト/妹尾香里 取材・文/麻生珠恵