0・1・2歳児 養護のキホン
0~1歳児の衣類の着脱
衣類の着脱などの生活習慣は、乳児の頃からの意識づけが大切。着替えへの意欲を育み、自立を促す関わり方を動画で紹介します。
ねんねの頃から優しく声をかけて着替えのベースづくりを
ねんねの頃から、保育者は機械的に着替えを行うのではなく「右手が出たね」「あんよはどこかな?」など、体の部位を知らせながら優しく声をかけて着替えをしましょう。そうすることで次第に着替えの意識づけができるようになります。
衣類を脱ぐときにバンザイをするなど、少しでもできたらほめて、徐々に次のステップへ。「○○ちゃん、ピンクと赤、どっちの服にする?」など声をかけながら、楽しい雰囲気づくりも心がけましょう。
乳幼児は新陳代謝が活発で、冬でも体を動かす活動をすると汗をかくので、着替えは午前中の活動後と午睡後の1日2回行うのが目安。長時間保育の子は、夕方にも着替えをするのが理想です。汗をかいたままにしておくと、かぜをひきやすいので、背中に手を入れて汗をかいていないかなど、確認する習慣もつけてください。
しっかり立てたら排泄の自立に向けてズボンの着脱からスタート
しっかり立てるようになったら、排泄(はいせつ)の自立に向けて、まずは自分でズボンが着脱できるように促します。保護者にもお願いをして、衣類や肌着は上下分かれているものにしてもらいましょう。
自分でする意欲が見られない場合は、何人かで一緒に着替えるようにして、じょうずにできた子を「○○くん、じょうずにズボン脱げるね」とほめてから、「△△ちゃんも脱いでみる?」と誘うと、やる気になる子もいます。保育者は、苦手な部分をさりげなくサポートしながら「△△ちゃん、できたね」とほめて“自分でしよう!”とする気持ちを育むことが大切です。
また1歳児クラスの懇談会では、家庭でもできるだけ自分で着替える機会をつくってもらうように保護者にお願いしましょう。時間がなくて、保護者が着替えを行っているケースが少なくないので「朝、自分でパジャマのズボンを脱ぐだけでもいいですよ」など、簡単にできることを提案すると、保護者も受け入れやすいと思います。
取材協力・監修/菜の花こども園(山梨県甲府市)主幹保育教諭 石田幸美先生
取材・文/麻生珠恵
写真/PIXTA