保育者の「働き方改革」実践アイデア
現役保育士てぃ先生が考える「働き方改革」とは
現役保育士であり、40以上の園のアドバイザーを務めるてぃ先生。多彩な経験から考える保育者の「働き方改革」について、実践アイデアを交えて聞きました。
保育者の休憩や勤務時間を守り、そのうえで保育業務をやりくりする
多くの保育現場では、保育者が不足しているのにもかかわらず、業務内容は以前と変わらないまま。最近では保育の質の向上も求められ、保育者の負担はますます増えているように感じます。そのため、アドバイザーを務める園の「働き方改革」では、これまでの保育業務を見直し、やらなくてもいい業務は思いきってやめることを提案しています。
具体的には、まず保育者のスケジュールを一旦まっさらな状態にします。そして、保育者の休憩時間と勤務時間を確定してから、保育活動や事務作業などの予定を入れるのです。従来は、休憩は業務の合間にとり、勤務時間は業務が終わるまでというように、保育業務ありきのスケジュールでした。それを休憩時間や勤務時間ありきで組むことで、これらが守られるようになります。
保育業務も時間内にやりくりするため、やらなくてもいいものはやめたり、効率化できるものは改善したりして、スリム化されていきます。
保育業務の効率化にはICTの導入が効果的
保育業務を効率化するにはICT(情報通信技術)化が有効です。僕の勤務園では職員会議はなく、園からの連絡事項はスマートフォンに一斉配信され、読んだらチェックを入れて完了。その代わり、クラス単位の実務的な会議を充実させ、保育の質の向上に力を入れています。
また、保育活動の振り返りで使う書類も、ICT化により必要な項目を簡単に検索できるので、紙と違って探す手間が省(はぶ)けて効率的です。ICT化というと難しく聞こえますが、日頃スマートフォンを使っているのなら、講習を受ければすぐに慣れて、便利に使いこなせると思います。
てぃ先生(保育士)
ちょっと笑えて、かわいらしい子どもの日常をつぶやいたTwitterが好評を博し、フォロワー数47万人超。最新刊『保育士てぃ先生のつぶやき日誌 きょう、ほいくえんでね…!!』(マガジンハウス)など著書多数。保育士として勤務する傍ら、子育ての楽しさや子どもへの向き合い方などをメディアなどで発信。全国での講演活動も年間50本以上。他園で保育内容へのアドバイスを行う「顧問保育士」など、保育士の活躍分野を広げる取り組みにも積極的に参加。ちなみに、名前の読み方は「T」先生。
構成・文/窪 和子(KWC)イラスト/あきばさやか