あそびの中で子どもは育つ
あそびの「ドキュメンテーション」をつくろう
あそびの「プロセス」の中で子どもは育つ
あそびの中には、たくさんの育ちや学びがあります。けれど、「コマをつくってあそんでいました」と、子どもがしていることを漠然と眺めているだけでは見えてきません。コマをつくってあそぶプロセスを丁寧に観察することで、その中にたくさんの育ちや学びがあることを理解できるようになるのです。
しかし、保護者がこうした学びを見る機会はほとんどありません。だからこそ、見えにくい育ちや学びを保育者が保護者にわかりやすく伝えていくことが大切です。そのためのツールのひとつがドキュメンテーションです。
プロセスの中にある育ちや学びを伝えよう
本誌5月号61ページのドキュメンテーションは、年長組のコマあそびの様子を紹介しています。「ファミリーデー」の行事で、家族でコマをつくってあそんだことをきっかけにクラスではコマあそびがブームに。そしてブームの中、子どもたちは「もっと良いコマをつくろう」と試行錯誤を繰り返します。その様子を追ったのがオレンジの部分です。
ドキュメンテーションをつくる意味
今までの保育では、大人が指示したことを、子どもができるようになることで評価される傾向がありました。けれど、これからの保育は、子どもの興味・関心をとらえて保育者が環境を構成し、子どもたち自身がさらに考え、あそび、学び育つことを大切にしています。でも、それは保護者にはわかりにくいことです。
だからこそ、日々のあそびの中で子どもが学び育つ姿を、ドキュメンテーションでわかりやすく伝え続けましょう。少しずつでも保護者に理解してもらうことが大事です。
文/田澤里喜(玉川大学教育学部准教授、東一の江幼稚園園長)
協力/四季の森幼稚園 イラスト/朝倉めぐみ