どう埋める︖ 世代間の溝
保育者のジェネレーションギャップを成⻑の糧にする3つのコツ
コミュニケーションスキルを高める練習だと思って
同じ保育者でも、上の世代と若手の世代では、生きてきた時代や学んできたことが違います。そのため、「こうするのが当たり前、常識、普通、当然」という基準も違います。それなのに、人は「こうするべき」という自分の価値観(理想、願望)に合わない言動を見ると怒ったり、ストレスを感じたりしがち。「まったく最近の若い子は……」「これだから上の世代は……」と溝が深まるのです。
世代が異なる人といい関係を築いていくためには、価値観のギャップを認めて、それを埋める行動をとる必要があります。「上の世代が変わらないのが悪い」と言って、自分が変わらないのは、コミュニケーションがうまくとれない責任を相手に押しつけているだけ。自分のコミュニケーションスキルを高めて異世代ともうまく付き合えるように、下の3つを実践してみましょう。
1 正しさにこだわらず「違い」を認める
コミュニケーションは、自分が正しいことを証明するためのものではありません。「正しいかどうか」にこだわらず、考え方の「違い」を認めることが大切です。「いろいろな考え方を認める」ことが、ダイバーシティ(多様性)につながります。
2 自分ができるアクションを考える
変えるべきルールがあるのに「価値観が違うから言ってもムダ」「どうせ聞いてくれない」と思い込んで諦めるのはダメ。そうした思い込みはコミュニケーションを悪化させます。まずは自分にできる提案や説得の方法を考えてみましょう。
変えられないものは受け流す
「自分の行動で変えられること」を考えて、「どうやっても変えられない」と見極めたことは、受け流しましょう。どうにもならないことを思い悩み続けると、ストレスが大きくなってしまいます。余計なストレスをためないのも、大事な社会人スキルです。
監修/⼾⽥久実さん
アドット・コミュニケーション株式会社代表、⼀般社団法⼈⽇本アンガーマネジメント協会理事。コミュニケーションの専⾨家として、企業や官公庁の研修・講演の講師を歴任し、指導⼈数は20万⼈に及ぶ。著書に『イラスト&図解 コミュニケーション⼤百科』(かんき出版)など。
取材・⽂/代 亮⼦(KWC) イラスト/poko