保護者との連携
子どもの発達相談~ことばが出ないことを心配する保護者
ことばを蓄積している時期と考え、
子どもの気持ちをことばに置き換えてあげて
ことばが出る時期には、個人差があります。遅い子では、2 歳をすぎてから話し始める子もいます。ふだんから、喃語ごや指さしなどで表れる子どもの気持ちを、保護者が「ミルクが欲しいのね」「きれいなお花だね」など、ことばに置き換えて話しましょう。
ことばは、氷山に例えることができます。水の中に沈んでいるのが「わかることば」、水面上に出ているのが、「言えることば」です。周りの人のことばを吸収し「わかることば」が増えると、ある日突然ことばが出てくるようになります。生活経験を豊かにすることも、ことばの氷山を大きくするきっかけになります。
また、ことばが出なくても、こちらの言っていることが理解できているかを確認してみましょう。2 歳後半になってもまったくことばが出ない場合は、「専門機関でみてもらってはいかがですか」とアドバイスしてもよいでしょう。
お話/小野崎 佳代先生
(東京未来大学 こども心理学部こども心理学科 保育・教職センター 特任教授)元東京都荒川区立保育園園長。現在は、保育者をめざす学生の育成にあたる。「子どもとことば研究会」会員。穏やかな語り口調で、心に残る的確なアドバイスをもらえると、学生の信頼も厚い。
イラスト/すずきもも